「薬歴を書く時間がなくて、毎日残業して薬歴を書いている」
「患者さんが待っていてプレッシャーを感じる」
薬剤師業務に毎日ストレスを感じている方も多いのではないでしょうか?
「もう少し余裕をもって働きたい」「できればのんびりした職場に転職したい」
実は今、あえて“のんびり働ける職場”を選びたい薬剤師が増えています。
私もその一人でした。かつては門前薬局で深夜まで働いており「辞めたい」が口癖でした。
しかし、今では有休をすべて消化し、残業も月3時間以下。
2025年は毎月連休で旅行に出かけるほど、ゆとりある働き方が実現できています。
薬剤師は専門職でありながら、働き方の自由度が高く、転職によってライフスタイルを見直しやすい職業です。
転職をきっかけにライフスタイルを見直すことも十分に可能です。
この記事では、現役薬剤師であり複数の職場を経験した筆者が、“のんびり働ける薬局の特徴”と“職場選びのコツ”を実体験ベースでお伝えします。
「やめたい」が口癖なのに、
リーダーに出世した現役DgS薬剤師
- 現役ドラッグストア薬剤師
- 複数店舗を担当するエリアリーダー
- 中小調剤薬局グループで経営者の修行中
ドラッグストア薬剤師の
リアルな働き方や
採用する側の視点をふまえて
転職について発信しています。

のんびり働きたい薬剤師が増えている背景
近年、薬剤師に限らず、働き方に対する価値観も大きく変わってきました。
最近では「ガツガツ働くより、自分の時間や家族との時間を大切にしたい」という価値観が浸透してきました。
薬剤師というと「安定した職業」「国家資格で手に職」というイメージがあります。
安定した資格職のため、ライフワークバランスを大切にしたいという方も多い印象です。
しかし、現場では決して楽な仕事とは言えません。
特に近年は、業務の複雑化・人手不足・多職種連携などによって、ストレスや負担が増えていると感じる方も多いのではないでしょうか。
自分の時間・家族との時間を大切にしたい人が増えている
「収入よりも心のゆとりを大切にしたい」
「バリバリ働くより、趣味や家族と過ごす時間を確保したい」
こうした考え方を持つ薬剤師が増えています。
資格職である薬剤師は、多少のブランクがあっても復職しやすいため、「無理をせず、今はゆるく働く」という選択肢がとりやすいのも特徴です。
特に以下のような悩みを抱える方にとって、「のんびり働ける職場」は一つの理想的な選択肢です。
- 業務過多や人手不足による疲弊
- コミュニケーション疲れ(医師・患者・スタッフとの板挟み)
- 有給が取りづらく、趣味や家族との時間が取れない
- 評価制度やキャリアの方向性に疑問を感じている
こうした悩みを抱えながらも、「薬剤師の仕事は好きだから続けたい」
──そんな方にこそ、“ちょうどいい”働き方を見つけてほしいと思います。
私自身も、かつては門前薬局で月30時間以上の残業、深夜・祝日対応、慢性的な人手不足という環境で働いていました。
私自身は異動によって店舗が変わったことで「店舗によってこんなにも違うのか」と驚いた経験があります。
「転職」によって「のんびり働くこと」は実現可能です。
のんびり働ける薬局の特徴とは?|処方箋枚数だけで判断してはいけない
「のんびり働ける職場」と一言で言っても、その実態はさまざまです。
私自身、複数の薬局を経験してきましたが、忙しさを決めるのは“処方箋枚数”だけではありません。
薬局のタイプや人員体制、運営方針など、複数の条件が重なったときに“のんびり働ける”環境が生まれると感じています。
特徴 | 内容 | 理由・ポイント |
---|---|---|
面対応薬局 | 特定の病院に依存せず、地域全体から処方箋を受け付ける | 来局の波が緩やか 同じ処方ばかりにならず勉強にもなる |
処方箋枚数と人員のバランスが良い | 例:月600枚で2人体制など | 一人あたりの業務量が少なく、余裕をもって対応できる |
一人薬剤師ではなく、協力体制がある | 常勤+パートなど複数体制 | 急な混雑やトラブルにも分担・相談できて安心 |
現場で多くの薬局を見てきた中で、比較的「のんびり働けるな」と感じたのは以下のような薬局です。
面薬局
意外かもしれませんが、面で処方箋を受けている薬局のほうが、門前薬局よりも落ち着いて働ける傾向があります。
理由は以下のとおりです。
- 同じ薬の大量調剤で混雑することが少ない
- 患者層が多様で、来局の波がある
ただし、大手チェーンの面薬局では一人薬剤師としての勤務になる場合があり、そこには注意が必要です。
門前でも「のんびり働ける」薬局はある?
門前薬局=激務というイメージが強いかもしれませんが、処方箋の内容・診療科・体制次第では“のんびり感”を得られる職場も存在します。
たとえば、
- 処方箋枚数が少ないクリニック門前
- 診療科が限られており処方が単調
- 患者の来局が一定で波がない
など、条件が揃えば門前でも快適に働けるケースはあります。
ただし、施設在宅や夜間対応が加わると一気に忙しくなるため、業務内容の内訳も事前に確認しておくことが重要です。
処方箋枚数と人員配置の“バランス”が大事
私が「のんびり働ける」と感じたのは、以下のようなバランスの薬局です。
- 月300枚程度を一人薬剤師で対応:自分のペースで仕事ができる(ただし忙しい時期は注意)
- 月600枚前後を2人体制で対応:ひとりあたりの投薬数が少なく、余裕をもって働ける
個人薬局では、オーナーが1人でこの規模を回していることもありますが、大手チェーンでは休憩や休日取得のために2人以上配置されることもあります。
このような職場であれば、急な残業も少なく、有給も取りやすい傾向があり、まさに「のんびり働ける環境」と言えるでしょう。
月間処方箋枚数 | 人員体制 | のんびり度 | コメント |
---|---|---|---|
約300枚 | 薬剤師1名 | ★★★☆☆ | 自分のペースで働けるが孤独感あり |
約600枚 | 薬剤師2名 | ★★★★★ | 程よい量・分担できて心身に余裕 |
約1000枚 | 薬剤師3名 | ★★★★☆ | やや多めだが分担されれば余裕あり |
枚数が多い店舗がつらいわけでない
処方箋枚数が多いお店は投薬数が増えるので忙しい傾向にあります。
ただ、人数配置が多ければ、分担性が多いため、投薬や調剤に専念できます。
薬剤師のマルチタスクの多さにストレスを感じている方は処方箋枚数が多い薬局もありです。
処方箋枚数以上に、企業方針や管理薬剤師の考えのほうが重要です。
複数薬剤師の店舗
最後に複数薬剤師で働ける薬局です。
一人薬剤師はたとえ枚数が少なくても、すべて自分で判断して対応しないと行けないため忙しさとともにプレッシャーもかかります。
急に忙しくなったときも分担して作業できることやわからないことがあったときに相談できるというのは心理的な安心感がありストレス軽減となります。
一人薬剤師のつらさを解説した記事もあるので、あわせてご覧ください。

「のんびり働く薬剤師」になるための転職のすすめ
とはいえ、自分にとって働きやすい職場かどうかは、実際に働いてみないとわからないのが正直なところです。
そのため、今の職場がつらいという方やのんびり働きたいという方は、一度転職を検討してみましょう。
転職はリスクですが、転職活動はノーリスクです。
とくに国家資格の薬剤師は転職に対するハードルが低く、
- 転職回数が不利になりにくい
- 年齢や経験に応じた職場が見つけやすい
- エージェントのサポートが充実している
といった特徴があります。
「転職しよう!」という決意がなくても大丈夫です。
ほかの薬局を知ることで今の職場が自分に合っていると感じることもあります。
転職活動のリスクやメリットについては、ほかの記事でくわしく解説しているのであわせてご覧ください。

のんびり働ける環境を探したい方は、まず薬剤師専門の転職サイトやエージェントに登録し、相談するところから始めてみましょう。
転職サイトでは処方箋枚数などは確認できますが、内情はわかりません。
転職エージェントは内情まで知っていることが多いので、のんびり働ける職場に出会える確率が上がります。
無料で利用できるので、まずは登録して相談してみましょう。
転職で失敗しないために、転職サイトは複数登録をおすすめしていますが、まず一つ登録するならファルマスタッフがおすすめです。
転職相談は無料なのでとりあえず登録して話を聞いてみましょう!
薬剤師満足度の高いファルマスタッフがおすすめです。
ファルマスタッフについては他の記事で詳しく解説しているので見てみてください。

ドラッグストアでも“のんびり働ける”?
【現役ドラッグストアリーダーの経験】
私は現役のドラッグストア薬剤師のエリアリーダーとして働いているので、実体験をもとにドラッグストアについても紹介します。
「ドラッグストアって給料高いけど忙しそう…」
「OTC対応や売場業務もあって大変そう…」
そんなイメージを持っている方も多いと思いますが、実際には“のんびり働ける店舗”も多く存在します。
ドラッグストアで働いてきた私の経験では、企業と店舗次第ではとてもホワイトに働ける環境が整っていると感じています。
のんびり働けるドラッグストアの理由
ドラッグストアでは店舗間の差が非常に大きいです。
エリアや店舗にもよりますが、店舗によっては非常にのんびり働くことができます。
ポイント | 解説 |
---|---|
面薬局が多い | クリニックや病院に依存せず、来局数に波があるため忙しさが分散される |
一人当たりの処方箋枚数が一定 | 人員配置ルールがあり、極端に忙しくなることが少ない |
エリア単位でフォロー体制がある | 欠員や休みにも柔軟に対応でき、有休も取りやすい |
市場が拡大傾向 | 店舗数増加中で、利益が少なくても成り立つ“忙しくない店”も存在 |
賃上げされやすい | 1部上場企業が多く現在の賃上げの流れに乗りやすいです |
さらに、ドラッグストアは今後の薬局業というビジネスにおいて伸びていく可能性があります。
保険調剤というビジネスモデルは医薬分業率の頭打ちとともに衰退期に入りつつあります。
現在は、地域連携や電子処方箋、オンライン診療といった新しいビジネスモデルへの転換期です。
ドラッグストアはのんびり働きながらも、時代にあったスキルも得られます。
今後の薬局業界の動向を考えてもおすすめです。

中小薬局との違い
中小規模の薬局では、売上が不安定な店舗ほど人員削減で対応するケースも少なくありません。
その結果、「月700枚を1人で対応」「休憩が取りにくい」など、無理のある勤務になってしまうリスクもあります。
一方、ドラッグストアでは利益や処方箋数が少ない店舗でも人員基準が守られやすく、むしろ“のんびりしている店舗”が生き残っているケースも多いです。
筆者の実体験|こんなにゆるくていいの?と思う職場も
私は現在、ドラッグストア薬剤師のエリアリーダー職として働いていますが、
- 有休は毎年すべて消化
- 残業は月3時間以下
- 毎月旅行にも行ける勤務スケジュール
といった環境で、薬剤師としても人としても豊かに過ごせています。
忙しい職場に我慢するのではなく、「のんびり働ける薬局を見つける」ことが何より大切だと感じています。

実体験で比較|薬剤師として働いた5つの職場
ここからは参考として、私が経験してきた薬局・立場を、忙しさや働きやすさの観点から比較してみます。
No. | 職場タイプ | 処方箋枚数/月 | 人員体制 | 残業時間 | のんびり度 | コメント |
---|---|---|---|---|---|---|
① | 門前薬局(大型/24時営業) | 約3,500枚 | 多人数制 | 月30時間 | ★☆☆☆☆ | 深夜営業・土日勤務あり。エリアの基幹店で常にバタバタ |
② | 門前薬局(在宅あり) | 約2,500枚 | 少人数制 | 月20時間 | ★★☆☆☆ | 処方が重く、在宅業務もあり体力的にきつい |
③ | 門前薬局(小規模) | 約600枚 | 基本1人 | 月10時間 | ★★★☆☆ | 処方は少ないが、責任が重く精神的にややしんどい |
④ | 面薬局(中規模) | 約600枚 | 常勤+パート | 月5時間 | ★★★★☆ | パートと連携し、ゆるやかな環境。有休も取りやすい |
⑤ | ドラッグストア(現職・リーダー) | 2500枚〜(店舗差あり) | 複数体制+エリア支援 | 月3時間 | ★★★★★ | 有休全消化&毎月旅行可能。今一番ゆとりを感じている |
⑥ | 個人薬局 | 約800→350枚 | 薬剤師1名または2名 | 状況による | ★★★★☆ | 業務は忙しいが、裁量がありストレスは少な |
① 門前薬局 月3500枚(24時まで営業)
- 土日祝も営業・深夜対応あり
- 残業:月30時間程度
- 毎日がフル稼働。とにかく疲弊。
エリアの基幹店です。
長時間開局のため日曜祝日出勤もありました。
業務は基本的に投薬と調剤が多く、基本的に分担性でやっていました。
スタッフは多かったので相談すれば1週間程度の長期休暇が取れました。
② 門前薬局 月2500枚
- 残業:月20時間程度
- 施設あり
この店舗は枚数以上に処方の重さがありました。
門前処方に加え、施設在宅も受けていたので、枚数以上に残業につながっていました。
処方箋単価、技術料も高めです。
スタッフも少なく休みも取りづらかったので、個人的な忙しさはトップです。
③ 門前薬局 月600枚・管理薬剤師(パート不定期)
- 門前薬局
- 残業:月10時間程度
- 基本一人薬剤師。 時間に余裕はあるが、プレッシャーと責任は大きい。
門前薬局でしたが、処方箋自体がほとんど来ない面に近い薬局でした。
④ 月600枚・管理薬剤師(午前のみパートあり)
- 面薬局
- 残業:月5時間程度
- パートとの連携で心身の負担が軽減 → 比較的ゆるやかに仕事ができる好環境。
パートとの連携で心身の負担が軽減 → 比較的ゆるやかに仕事ができる好環境。
重めの処方や在宅はありましたが、比較的に時間はありました。
薬局あるあるだと思いますが、ひまだったのに急にタイミングをそろえて来局されると言ったことが多いです。
一人薬剤師の場合はこの患者さんが待っているというプレッシャーが苦手な人も多いかと思います。
⑤ 現職:リーダー職(エリア管理)
- 店舗規模:2500枚規模の店舗~新店まで
- 残業:月3時間程度(通常期)
- 投薬機会は減少、マネジメントや指導メイン → 評価時期・欠員対応などの変動はあるが、全体的に余裕あり。
リーダーになり副業ができなくなるかと思いましたが、勤務時間は同じなのであまり管理薬剤師のときと変わりませんでした。
私は患者さんからのプレッシャーが苦手だったので、患者さんを直接対応するプレッシャーからも距離を置けており、「のんびり働けている」と言える状況です。
⑥番外編:個人薬局(経営者)
最後に個人薬局での働き方として、私が経営をお手伝いしている薬局を紹介します。
こちらの個人薬局はもともと門前薬局でしたが、病院が閉院したため現在は面薬局として運営しております。
処方箋枚数は800枚から350枚程度に減少しています。
門前薬局:800枚時代
- 薬剤師2名
- むりに採用はせず薬剤師1名のことも
薬剤師は基本的に1名でやっていました。
応募があれば、1名雇うこともありましたが、求人サイトに載せることはなく直接応募があり採用したくらいの温度感です。
忙しさはありますが、オーナーなので感じ方が違います。
業務量への疲労はありますが、上司や会社への不満などのストレスはありません。
面薬局:350枚時代
- 薬剤師1名
- 時間短縮
門前の病院が閉院となり処方箋枚数が激減となりました。
移転や誘致なども検討も、”ゆるく働く”ことを優先した結果、時間を短縮して運営しています。
一番のんびり働けているのは今の職場
どの職場にも良し悪しがありますが、個人的にはリーダーとしてラウンダーをしている現在が薬剤師としては一番のんびり働けています。
結論として「エリア支援のあるドラッグストア+複数人体制」の薬局がのんびり働ける可能性が高いです。
一人薬剤師や在宅業務の比重が高い職場は、処方箋が少なくても精神的なプレッシャーが大きいと感じます。
まとめ|のんびり働くのも薬剤師の“正解”
比較的ゆったり働ける職場には以下のような傾向があります。
- 面の薬局
- 処方箋と薬剤師数のバランスがよい
- 複数人体制の店舗
薬剤師という専門職だからこそ、働き方の選択肢は幅広くあります。
責任感を持ちつつも、自分の心身を大切にできる環境で働くことは、決して逃げではありません。
- 面対応の薬局や、適切な処方枚数の職場を選ぶ
- 自分のライフスタイルに合わせた勤務形態にする
- エージェントに相談して現場の雰囲気を確認する
そうした一歩が、あなたの「のんびり働きたい」という気持ちを叶える第一歩になります。
薬局ごとに働きやすさは全然違います。
まずは、転職エージェントに無料登録して相談してみましょう。
転職相談は無料なのでとりあえず登録して話を聞いてみましょう!
薬剤師満足度の高いファルマスタッフがおすすめです。
ファルマスタッフについては他の記事で詳しく解説しているので見てみてください。

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