「このまま調剤薬局で働き続けて、本当に大丈夫だろうか…」
そんな不安を感じていませんか?
AIや自動化の話題が広がり、
「薬剤師の仕事はなくなる」と言われることもあります。
特に、調剤薬局で働く薬剤師の多くが、
「将来性がない」「給料が伸びない」「制度改定が怖い」
と感じているのが現実です。
実際、国が掲げた「医薬分業率75%」という目標はすでに達成済みで、
調剤報酬改定も年々厳しいものになっています。
業界は次のステージへ向かう“過渡期”に入っています。
そこで今、注目されているのが「薬局3.0」という新しい概念。
患者の“服薬後フォロー”や“在宅支援”といった役割へと、
薬局の機能が大きく変わりつつあります。いま業界で注目されているのが、「薬局3.0」という考え方。
服薬後のフォローや在宅医療、地域との連携など、
これからの薬局に求められる機能が、大きく変わろうとしています。
調剤薬局は本当に“オワコン”なのか?
転職はリスクなのか、チャンスなのか?
本記事では、「薬局3.0」や「Sカーブ理論」といったフレームワークを用いながら、
薬剤師の将来性を読み解き、これからの働き方や転職戦略について
現役ドラッグストアリーダー薬剤師の視点で解説します。
調剤薬局は衰退期に入る!?すべてのビジネスに“寿命”がある(Sカーブ理論)
「どんなビジネスモデルも、永遠には続かない」
この考え方をわかりやすく表現したのが、Sカーブ理論(ビジネス成長曲線)です。
Sカーブとは、
成長の過程を「導入期 → 成長期 → 成熟期」と3段階で表し、
時間の経過とともにS字型のカーブを描くのが特徴です。
それぞれの期間は等間隔という特徴があります。
参考:Sカーブが不確実性を克服する: 物理学で解く2000年の経営 著セオドア モディス
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この理論を用いると、
「今、自分がいる業界がどの段階にあるのか」が見えてきます。
例えば、かつて急成長したフィーチャーフォン(ガラケー)が時代とともに姿を消していったように、
調剤薬局という業態もまた、成長と成熟を経て、
新しいフェーズに入ろうとしているかもしれません。
実際に、日本における医薬分業の進行は、
このS字型カーブと非常に近い動きを見せています。
次章では、調剤薬局と医薬分業率のSカーブを重ね合わせて、
その変遷を見ていきましょう。
薬局2.0=調剤薬局は、いま「成熟期の終盤」にある
現在、多くの薬剤師が働いている
処方箋をもとに保険調剤を行う「調剤薬局」=薬局2.0と位置付けれらます。
薬局1.0は、医薬分業による院外処方箋がなかったころの町の相談薬局です。
薬局2.0のビジネスモデルは、
1974年の医薬分業政策から始まり、
1990年代〜2000年代前半にかけて爆発的に成長しました。
大手の調剤薬局の創業年をみると、この波にのり拡大したことが分かります。
企業名 | 創業年 |
---|---|
阪神調剤薬局 | 1976年 |
日本調剤 | 1980年 |
ファーマライズ | 1987年 |
総合メディカル | 1988年 |
クオール薬局 | 1992年 |
アインHD | 1993年 |
しかし、医薬分業率はすでに75%を超え、
制度による成長余地はほぼなくなりつつあるのが実情です。
こうした背景から、調剤薬局は今“Sカーブの成熟期”を超え、
衰退期に足を踏み入れつつあるとも言えます。
実際に医薬分業の推移にS字カーブを重ねてみてみましょう。

参考:厚生労働省ホームページ(薬局・薬剤師のあり方、医薬分業のあり方(その2))
日本薬剤師会(医薬分業進捗状況(保険調剤の動向))
- 導入期:1974年〜1991年(分業推進のための制度整備)
- 成長期:1991年〜2008年(全国で急速に普及)
- 成熟期:2008年〜2025年(分業率75%突破、成長鈍化)
このグラフは、「セオドア・モディスのSカーブ理論」に基づき、
1974年〜2025年における医薬分業率の推移と調剤薬局の成長過程を重ねたものです。
表のように、医薬分業率の推移は
S字カーブのビジネスモデルに近い動きをしているのがわかると思います。
セオドア・モディスのビジネスモデルの理論に当てはまると、
調剤薬局のビジネスモデルは2026年以降衰退期に入っていきます。
ただ、医薬分業は75%程度が頭打ちだろうと言われていましたが、
コロナや医薬品の供給問題の影響により、2024年度は82.1%となりました。
参考:薬事日報https://www.yakuji.co.jp/entry118482.html
厚労省の「患者のための薬局ビジョン」では、
調剤中心の業務から、「対人業務」へと転換する必要性が強調されていました。

かかりつけ薬局としての目標が2025年となっており、」
ビジネスモデルの終わりの年とも一致しています。
今後、薬剤師が生き残るには“薬局3.0”の成長カーブに乗れるかがカギです。
「薬局3.0」とは?これからの薬剤師に求められる新しい役割
調剤薬局(薬局2.0)の成熟が進むなかで、
今まさに始まっているのが薬局3.0への移行です。
薬局3.0は、
ファルメディコ株式会社の 狹間 研至 社長が提唱されています。
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”対物”から”対人”へ
多くの薬剤師が聞いたことのあるキーワードです。
これまでの「薬を渡すだけの薬局」から、
これからは「薬を通じて人を支える薬局」へ。
薬剤師の専門性は「薬理」「薬物動態」「製剤学」です。
これは、服薬前の調剤ではなく、
服薬後の患者フォローとフィードバックが重要となってきます。
- 服薬後フォローの強化(副作用・残薬・効果確認など)
- 在宅医療への対応(多職種連携・訪問薬剤管理指導)
- 健康サポート薬局・地域連携薬局への機能拡張
- 電子処方箋・オンライン服薬指導などDX対応
これらは一部の“先進的な薬局”だけの話ではなく、
国が進める「薬局ビジョン2025」でもすべての薬局に求められる将来像とされています。
これからの薬剤師に求められるのは「処方箋を待つ人」ではなく、
地域の中で必要とされ、信頼される医療人です。
- 患者の生活背景を理解し、薬物治療を継続支援できる人
- 医師や看護師、ケアマネなど他職種と連携できる人
- 対人コミュニケーション力と観察力を持つ人
その第一歩は、「どこで働くか」を見直すこと。
つまり、薬局3.0に対応した職場を選べるかどうかが、将来のキャリアを左右します。
薬局3.0に乗り遅れないために、いま転職を選ぶという戦略
ここまでで見てきた通り、薬局業界は今、
薬局2.0(調剤中心)から薬局3.0(対人・地域連携)へと急速に移行しています。
しかし、
すべての薬局がその流れに乗れているとは限りません。
まだ「2.0」にとどまる薬局も多い
現場ではいまだに、
- 調剤室から一歩も出ない
- 加算はとれてもフォロー体制がない
- 在宅対応ゼロ、地域連携ゼロ
- DXどころかFAXが主流…
といった「変わらない薬局」も珍しくありません。
その中で働き続けることは、
いわば“沈みかけた船”に乗り続けることかもしれないのです。
転職=リスクではなく、変化に対応するための準備
「転職」という言葉にネガティブな印象を持つ人もいるかもしれません。
でも、それは過去の話。
今や転職は、薬剤師としてキャリアを広げる“普通の手段”です。
- 新しいスキルを学べる
- 成長企業や地域医療に貢献できる現場に出会える
- 将来の自分にとって武器になる経験を積める
この先10年、薬剤師の世界はこれまでと全く違う価値観で動いていきます。
いま行動するかどうかで、
その流れに「乗れる人」と「取り残される人」の差がつくのです。
上記のように大手調剤薬局は調剤薬局2.0の波に乗り、急拡大しました。
引き抜きで、1,000万円オーバーのオファーもあったようです。
つまり、成長市場に身をおくことが重要です。

図のように、薬局は推移してきました。
つまり、今後は「地域包括型薬局」として
動き始めている薬局に身を置くために自身も動く必要があります。
薬局3.0に対応した職場を選ぶには?転職エージェントの活用法
「薬局3.0の時代に備えたい」
「でも、どんな薬局が将来性あるのかわからない…」
そんな方におすすめなのが、
薬剤師専門の転職エージェントを活用することです。
薬剤師転職エージェントを使うメリット
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薬局3.0の波に乗れる職場を探すなら…
- 「かかりつけ薬剤師」を積極的に推進している
- 在宅訪問や多職種連携の体制が整っている
- 地域支援体制加算など加算取得が仕組み化されている
- ICT・電子薬歴などDX化が進んでいる
そんな薬局に出会えるのは、エージェントを通じた比較・提案があってこそ。
おすすめの薬剤師転職エージェント
ただ転職するだけでなく、キャリア相談に強いエージェントがおすすめです。
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ファルマスタッフについては他の記事で詳しく解説しているので見てみてください。

そのほか、転職エージェントを比較した記事や
おすすめの転職エージェントを紹介した記事もあるので
参考にしてみてください。



まとめ:薬剤師の未来は、「どこで働くか」で変わる
薬局業界は今過渡期の真っ只中です。
- 調剤薬局の時代は成熟し、薬局3.0へと移行が進んでいる
- 将来性ある薬剤師像とは、地域とつながる医療人
- 変化の波に乗るには、早めの転職行動が鍵
「今のままで大丈夫かな?」と感じた今こそが、
キャリアを見直すベストタイミングです。
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